

日本への関心が高まっている韓国市場。日本商品を届けるために必要な、伝え方・動画活用・社内体制・テスト販売の5つのポイントを分かりやすく紹介します。
韓国で売りたい日本企業が、最初に知っておきたい5つのこと
日本への関心が高い今、韓国市場にどう向き合うか
株式会社COCOA 代表取締役 宋 基東
「うちの商品は、韓国でも販売できるでしょうか」
最近、日本企業の方からこのような相談を受ける機会が増えています。
韓国では、日本の旅行、食、酒、アニメ、キャラクター、ファッション、生活雑貨などが幅広く知られています。以前は東京や大阪の情報が中心でしたが、最近では北海道、九州、四国など、日本各地を訪れる韓国人も増え、地方の商品や食文化に触れる機会も広がっています。
日本政府観光局(JNTO)によると、2024年3月と4月の訪日韓国人数は、コロナ前の2019年同月をそれぞれ13.2%、16.7%上回りました。2025年には、韓国からの訪日客数が年間の過去最高を記録しています。
この5年ほどを振り返ると、コロナ禍によって両国の往来が止まった時期を経て、現在は日本を実際に訪れ、商品やサービスを体験する韓国人が大きく増えました。
ただ、韓国で日本への関心が高いからといって、すべての日本商品が自然に売れるわけではありません。
今回は、韓国での商品販売や事業展開を検討する日本企業の方に、最初に知っていただきたい5つのことをまとめました。
1.「日本の商品」から「自分に必要な商品」へ
韓国では、日本の商品に対して「品質が安定している」「丁寧につくられている」「長く使えそうだ」というイメージを持つ消費者が少なくありません。
日本の食品、酒類、菓子、生活用品、文具、キャラクター商品などは、すでに韓国人にとって遠い存在ではなくなっています。
しかし、「日本製だから」「日本で有名だから」という説明だけで購入につながる時代でもありません。
韓国の消費者が知りたいのは、その商品が自分の生活にどのような価値を与えてくれるかです。
例えば食品なら、味や品質に加えて、成分、カロリー、容量、保存方法、食べ方などが確認されます。生活雑貨なら、機能性とともに、デザイン、サイズ、使用する場面も重視されます。
日本での販売実績は、大切な信頼材料です。
その実績を出発点として、
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誰に向けた商品なのか
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どのような悩みを解決するのか
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韓国で販売されている商品と何が違うのか
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韓国の消費者が購入する理由は何か
をもう一度整理する必要があります。
2.商品の魅力を、韓国向けに伝え直す
日本企業の商品資料は、品質、技術、原材料、製造工程などが丁寧に説明されているものが多くあります。その丁寧さは、日本商品の強みです。
一方、韓国のオンライン販売では、消費者が短い時間で商品の特徴を理解できることが重要です。最初の画面や短い説明で関心を持ってもらえなければ、詳しい情報まで読んでもらえないことがあります。
日本語の資料を韓国語に翻訳するだけでは、商品の魅力が十分に届かないこともあります。商品名、キャッチコピー、代表画像、説明の順番を韓国の消費者に合わせて、ローカライズ化して組み直す必要があります。
また、価格や容量、セット内容、パッケージも確認が必要です。日本では一般的なサイズや価格でも、韓国では初めて購入するには負担が大きい場合があります。反対に、少量すぎて価格競争力がなくなることもあります。日本らしさを変えるという意味ではありません。商品の本来の価値を守りながら、韓国の消費者が理解しやすい形に整えるということです。
3.韓国では、動画が商品の入口になる
日本でも近年、Instagramのリール、YouTube Shorts、TikTokなど、ショート動画を活用する企業が増えています。それでも日本の商品紹介では、ウェブサイト、ECの商品説明、写真、記事など、テキストと静止画が中心になるケースがまだ多く見られます。
韓国では、最近動画が商品を知る入口として、より日常的に使われています。
韓国の放送通信委員会と韓国情報通信振興協会が発表した「2024年放送媒体利用行態調査」によると、ショート動画の利用率は70.7%で、前年の58.1%から大きく上昇しました。
頻繁にスマートフォンを利用する人が好むコンテンツでも、ショート動画が41.8%、OTTが39.4%、ライブストリーミングが26.2%となっています。
商品販売においても、短い動画やライブ配信は重要な役割を持っています。
食品であれば、開封する場面、食感、調理方法、実際に食べた反応が動画で伝わります。化粧品なら、使用前後の違い、色、質感、使い方を見ることができます。生活雑貨なら、説明文を読むよりも、実際に使う場面を見せた方が機能が伝わりやすくなります。
ライブコマースでは、視聴者の質問にその場で回答し、商品を見せながら購入につなげることができます。韓国市場に向けては、写真や詳しい商品説明に加え、
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15秒から1分程度のショート動画
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実際の使用場面
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開封や比較の動画
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利用者による率直なレビュー
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ライブコマースで説明しやすいポイント
を準備しておくと、販売の可能性が広がります。
すべての商品に大がかりな映像制作が必要なわけではありません。スマートフォンで撮影した短い動画でも、消費者が知りたい内容が分かりやすく伝われば十分に活用できます。
4.商品と一緒に、社内の準備も確認する
海外展開を始めると、現地パートナーを探すこと以外にも、さまざまな仕事が発生します。韓国語資料の準備、表示や輸入条件の確認、価格設定、問い合わせへの回答、サンプルの発送、社内承認などです。ここで意外に多いのが、商品は決まっていても、社内の担当者や予算が決まっていないケースです。
最初から大きな海外事業部をつくる必要はありません。
ただ、最低限、次の3点は確認しておいた方がよいと思います。
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社内で誰が担当するのか
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初期調査やサンプル、コンテンツ制作に使える費用など一定期間中の予算があるか
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経営者や責任者が一定期間取り組む意思を持っているか
海外事業は、最初の商談だけで結果が決まるものではありません。
現地の反応を確認し、商品や条件を調整しながら進める時間が必要です。経営者がすべての実務を担当する必要はありませんが、途中で判断が必要になったときに、方向を決められる体制は必要です。
韓国側と日本側では、仕事の速度や確認方法にも違いがあります。
韓国側の回答が速くても、日本側の社内決裁には時間がかかることがあります。その違いを最初に共有しておくだけでも、双方の行き違いをかなり減らすことができます。
5.大きな契約の前に、実際の反応を確認する
韓国進出を検討する企業から、最初に「総代理店を探したい」「大手流通会社を紹介してほしい」という相談を受けることがあります。その方法が適している商品もありますが、韓国での販売実績がない段階では、流通会社も取り扱いを判断する材料がありません。
まずは商品を絞り、韓国での価格、競合、表示、輸入条件を確認したうえで、限られた販売先やオンラインで反応を見る方法があります。
進め方は、次のようにシンプルに考えることができます。
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韓国で販売されている競合商品を調べる
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輸入、表示、認証などの条件を確認する
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テストする商品を少数に絞る
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韓国向けの商品ページとコンテンツを準備する
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実際に販売し、消費者やバイヤーの反応を集める
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価格、説明、商品構成を見直す
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結果をもとに販売先や取引規模を広げる
机の上の調査だけでは、消費者が購入する本当の理由までは分かりません。
一方で、準備をしないまま大量の商品を送るのも、企業にとって大きな負担になります。調査と本格展開の間に、小規模な市場確認を入れることで、自社の商品が韓国でどのように見られるのかを具体的に知ることができます。
日本への関心を、自社商品の可能性に変える
韓国における日本への関心は、旅行者数や両国の交流からも確認できます。
ただし、「日本が人気であること」と「自社の商品が韓国で選ばれること」の間には、準備すべきことがあります。
商品の価値を韓国向けに整理すること。
動画を含む現地向けコンテンツを準備すること。
担当者と予算を決めること。
実際の市場で小さく反応を確かめること。
この準備ができれば、韓国市場について漠然と考える段階から、具体的に判断できる段階へ進むことができます。
次回以降のGIBUNJOA JOURNALでも、韓国市場への入り方、テスト販売、現地パートナーとの進め方などを、具体的なテーマに分けてお伝えしていきたいと思います。
参考資料
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日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年12月推計値)」
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日本政府観光局(JNTO)「韓国市場動向トピックス 2024年3~4月」
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韓国放送通信委員会・韓国情報通信振興協会「2024年放送媒体利用行態調査」
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